近年、ホームページリース商法によるトラブルが増加しているようです。中でも多いのがとても悪徳なホームページ制作のリース契約です。このような悪徳商法にホームページが利用されるのは、同じホームページ制作業界の一人としては悲しい限りです。
ホームページのリース契約は限りなく黒に近いグレーな契約です。その様な契約でホームページを制作しているのであれば悪徳会社と言わざるを得ません。
制作料金を一括で支払うことが難しい状況でもホームページを制作したいと考えている個人事業主の方や中小企業の経営者の方が、月々3~5万円の支払いで制作できるリース契約を提案されると心が動きかねませんが、踏みとどまって下さい。
なぜなら、本来のホームページは無形であり、リース契約は出来ません。
ホームページのリース契約は出来ない
本来のホームページ制作は、制作料金を頂き制作するモノです。ホームページ自体が無形なので、ホームページ制作のリース契約は出来ません。しかし、更新ソフトやSEO対策、パソコン自体にリースをかける形にして5年間のリース契約で「初期費用完全無料のホームページ制作」を販売する業者がとても多くいます。
これはリース契約をすると、販売者側にクレジット会社・信販会社から全額が一括で手に入るため急成長している会社はこの手のやり方で成長していることが多いです。また、手早いビジネスではあるので新規参入者が後を絶ちません。
当然、トラブルも後を絶ちません。基本的にこのような会社は営業と制作で会社が違っていて、契約後はリースといえども全くサポートされません。長い付き合いは考えていないので契約したら終わりです。その様な形でリース契約が組まれているので訴訟や相談がとても多いというわけです。
5年リース契約の途中解約は出来ない
リース契約は基本的には解約できません。契約者が消費者では無く事業者なのでクーリングオフ制度も効かないようです。ホームページ制作のリースには3年、5年、6年と長いものでは10年なんていうモノもあるようです。もちろんリース契約が終了するまで解約は出来ず毎月の支払いが続きます。
仮に途中で相手先の会社が潰れてホームページが機能しない状態になったとしても解約は出来ないようです。使えない状態のモノに月々3~5万円の支払いが続きます。また、制作したホームページを利用しなくても最後まで支払い続けるしかありません。
ちなみに契約終了後もリース物件はリース会社に返却するという事が多いです。取得したドメインや、更新したコンテンツの文章や画像、ホームページのデータなどの所有権は得られないことが多いです。せっかく育ててきたホームページもドメインも契約終了で手放さなくてはなりません。
終了間際や営業会社の数字が足りない場合などは「今より月額下がって無料でリニューアルできるので再リースして下さい。」と電話がかかってくる事が多いようです。このように移転させないように再リースの営業も行っているようです。
一部上場している会社でもこのような形態でホームページ制作を行っている所もあります。知名度があるからと言って油断できません。多数のリース契約で急成長して上場している様です。気をつけましょう。
「リース契約のホームページが役に立たない。」
「リースで作ったホームページを解約したい。」
このようなご相談を多数頂きます。ホームページのリース契約はトラブルが多く深刻な問題となっています。リース契約という形態上なかなか難しいというのが以前の認識でしたが、最近大阪地方裁判所でホームページのリース契約について判例が出ました。
1 購入者から販売店への請求を認めた裁判例
(1) 大阪地方裁判所判決平成23年9月9日
事案は上にあげた例に非常に近いので大筋は割愛しますが、購入者が販売店・リース会社を訴えたところ、裁判所は、リース会社に対する請求を認めませんでしたが、販売店に対しては、同社がホームページの制作自体一応行ったと認定したうえで、以下のように、ホームページリース商法に詐欺的要素が含まれる危険性を指摘して、販売会社に一定の損害賠償責任を認めました。
「そもそも、ソフトウェア等の物品やホームページの作成等の役務は、その価値や有用性を一義的、客観的に評価することが極めて困難であり、市場における定価や標準価格が存在しないことも多く、これらをリース契約の目的物件とする場合、一般のユーザーがそれらの物品や役務の価値や有用性を適切に評価することができずに、対価の相当性についての判断を誤り、リース料が不当に高額なリース契約を締結してしまう危険性があることは否定できないと考えられる。」
「サプライヤーとしての立場でこのような本件加入行為を行う被告としては、原告らが本件リース契約による給付の内容を成す物品や役務の価値や有用性について十分検討することが可能になるように、リース契約の締結に先立ち、原告らに対し、原告らの負担するリース料との給付の内容をなす物品又は役務との対応関係のほか、それぞれの物品又は役務の内容、有用性、価値等を説明し、原告らがこれらを十分に検討した上で、契約締結の意思決定ができるように配慮すべき義務があったというべきであり、本件勧誘行為がそのような配慮を欠いていたものであった場合には、本件勧誘行為は、社会的相当性を著しく欠き、原告らの意思決定の事由を侵害したものとして、不法行為上の違法の評価を免れないというべきである。」
参照:global-law
しかし、同様にリース会社への支払いを認めた判例もあるようなのでまだまだ難しい問題と言えます。元々矛盾している契約ですが、あまりにもビジネス上のリスクが大きいです。
ホームページは5年もたない
断言できます。ホームページは5年も持ちません。
現代でも5年もたないのに常に進化して、進化スピードも上がっている技術や手法が今後5年もつわけがありません。セキュリティ上もインターネット上にあるので常に更新してセキュリティの脆弱性を潰していかないととても危険です。リース契約では基本的に管理はしてくれないので全て自分でやらなくてはなりません。
デザインやシステムもサービスも2~3年持てば御の字だと思います。それくらいスピードが早い業界です。せっかくホームページを制作したのにリース契約というがんじがらめにあい、活用できないのはもったいないです。
リース契約の業者はアフターサポートがしっかりしていると営業してきますが、ホームページは基本的に売り切りのモノと考えているので契約後は何もしてくれません。機能の追加やサポートは期待できません。画像や文字の更新もリース料とは別の代金を支払い受けることになります。悪徳なところだとコンテンツの更新も有料なところがあります。これではホームページを更新する度にお金がかかります。何のためのホームページか分かりませんね。
月々3~5万円でも総額200~300万円!
そうなんです。月々で見ると安いかもしれませんが、総額で見るととても高額なことに気がつきます。5年リースの契約で月々3万円だとしても180万円です。月々5万円なら300万円です。
営業はあまり詳しくない所を狙っています。ホームページに詳しくなさそうだと考えて、エステやサロン、美容院、飲食店の様な実店舗。建設業、士業、病院、歯医者等が狙われ実際に契約していることが多いです。
200万円のホームページと言ったら結構な大企業のホームページが作れてしまいます。しかし、実際に見てみるとページ数は10P前後で中身がスカスカなホームページであることが多いです。うちなら30万円もあれば全然良いモノが作れるような内容と品質です。それを200万円で売りつけていれば急成長しますよ…
大企業やIT業界ならともかく、中小企業や自営業ならば即金で払える範囲内に制作費を止めておくべきです。

この図をご覧頂くと分かりますが、月々3万円のリース契約でサーバー管理費が5千円だった場合5年で210万円になります。10年だと420万円。恐ろしいですね。比較対象にうちの料金をおいてみました。初期費用30万円でサーバー管理費が毎月5千円です。リース契約と比べると2年でフルリニューアルしたとしてもおつりが来ますね…
どちらが安いかは一目瞭然です。
ホームページ制作は制作会社に依頼
ホームページはリース契約では無く、本来の一括払いでの制作が好ましいと思います。結果的にその方が断然安いです。どうしても資金が無い場合でもページや機能を調整すれば予算内に収まることもあります。その際は是非SODiCOMにお気軽にご相談下さい。
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